「メカゴジラの逆襲」の真船邸が撮影された洋館はV3第47話に登場する建物と同一だがいずれもその周囲はほとんど映らず情報が少ない。
確実にこの建物だという裏が取れている訳ではないがいくつかの情報である程度特定しているので以下解説。
V3劇中、結城宛にヨロイ元帥から送られてきた年賀状の住所「横浜市中区山下町235番地」、結局は風見と結城をおびき出すための罠なのだが実際にはこの住所には有名な教会が建っており、実際に撮影に使われた場所は別の場所。
敷地前の道路から門をくぐるシークエンスと航空写真からすると間違いないかと思われる。
住所は横浜市中区までは間違いないが山下町ではなく山手町、もちろん番地も異なる。
具体的な場所はワシン坂をワシン病院より少し登った左手に存在した洋館。(下の対比地図の白丸内)
ワシン坂を登ってくるデストロンのグロリア。後方に見える建物が現存するワシン病院。
余談だがこの坂は「コクリコ坂から」のモデルの一つとも言われ、「あぶない刑事」など横浜を舞台にするドラマ等でも登場する。
左の壁の中の建物は見通せないが現存している。
通りに面した門の先にその建物が見える。現在はご覧のようにマンション ザ・ブラフ160が。
この後、ストーリーは敷地内の建物周辺で撮影されておりやや高台にある事は判るがそれ以外手がかりとなる物は映っていなかったと思われる。
ただ、この建物を見ていて気づいたが現存する洋館、横浜ベーリックホール(旧べリック邸)と共通するディテールを持っていることから恐らく多くの建築を手がけたアメリカ人建築家J.H.モーガンの設計ではないかということだ。
モーガンの資料を辿ると氏の設計で住宅に限って言うと現存しているべリック邸とラフィン邸以外に横浜内にあと4軒存在したそうだ。(メンデルソン邸、紐約ナショナルシティ銀行支店長宅、デビン邸、クック邸)
残念ながらネットで調べている現時点ではいずれの正確な所在地も意匠も判らない。ただし、銀行支店長宅の完成が先に挙げたべリック邸と完成した年が同じ1930年(昭和5年)ということを考えるとここが濃厚な気がする…(他の3軒は完成に前後3~5年の開きがある。)
現在の横浜ベーリックホール(旧べリック邸)
劇中の外観。玄関のせり出した部分のアーチとそれを囲むレンガの意匠が共通したデザインと言える。
ヨロイ元帥のシルエットが映った窓のアーチ型フレームも似ている。
先と同一の場所かは判らないが玄関アーチの表情がよく判るカット。
当初、和風な瓦屋根を使った和洋折衷な意匠なのかと思ったがモーガンの資料を辿るとスパニッシュ風なのだそうだ。V3の映像では確認できなかったがモーガンホールに見られる特徴的なイスラム様式の小窓"クワットレフォイル"があることもメカゴジラ~では確認できた。
*建物に関する考察はあくまでもまだ裏を取っていない私の私見の範囲なので異論等ありましたらコメントいただけると幸いです。出典:仮面ライダーV3 第47話「待ち伏せ!デストロン首領!!」
0 件のコメント:
コメントを投稿